アニメ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」レビュー
先日録画しておいた、アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を見ました。
それについて、感じたことを書きたいと思います。
まず、映像がきれい!
冒頭からキラキラしていて、私立っぽいきれいな校舎や、螺旋階段や、生活圏に海がすぐそばにある環境、風車、灯台など、「青春」をきれいに描こうと思ったら必要なアイコンが全て揃っているという感じ。
それに加えて、物憂げな美少女や調子のいい仲間たち、美人でミニスカの女教師など、キラキラした要素が満載。確かにアニメだから現実的な田舎の中学生をリアリティそのまま見せられても楽しくないのかもしれないけど、キラキラ演出過ぎて、これは夢の世界、ファンタジーだ!という前提を突きつけられたような気がしました。
あと、既視感がすごい。
「君の名は」とか「時をかける少女」がミックスされているような感じ。
これがザ・イマドキな青春アニメ!と見せられているような感覚。
ちょっとテンプレすぎないかなーと思いました。
男子2人が女子を取り合う構図、というのはドキドキできてよかったです。
ヒロインがかなり女神化されている表現が随所にあって、映像でさりげなく見せられるのはいいけれど、アニメで美少女感がかなり強調されているのは、私的にはくどい気がするのだけど、若い男子や女子にはウケるのかなーなんて思いながら見ていました。
(女子的には、私も男子にこんなふうに見られたらいいな...ドキドキ、的な感じ)
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岩井俊二監督の元ネタ映画もif物語なのかな?と思ってWikiでググってみたところ、「if」がテーマなのは同じみたいです。
ただ、映画版だとアニメみたいに何度もifを繰り返すわけじゃなくて、あくまでもAとBの2つのifが存在しているみたい。何度もifを繰り返すのは、少しくどいというかなんでもアリすぎて、かえってつまらないような気もしました。(何度もやり直すあたり「時をかける少女」っぽい。)
まあアニメだから過剰演出になるのは仕方ない気もするけど、この作られた演出感こそが今のトレンドなのかな?ご都合主義というか。ただとにかく映像はきれいでウットリできるので、あまり深く考えず、若い子たちが連れ立って見る青春映画としてはちょうどいいのではないでしょうか。
(歳を取ると理屈っぽくなってイヤですね...)