波のまにまに。〜すなみちな日々。

すなみち@楽に生きる方法を模索中。40代ワーキングマザー。日常の思考の波間からなるべく丁寧に言葉を拾って紡ぎたいなと日々言葉を紡いでいます。

私と彼女の人生の交差点

Twitterで昔の知り合いに出会った。

 

知り合いと言っても、私が一方的に知っているだけの知り合い。

彼女は私が中学生の頃はまっていたFF6の同人を描いていた人で、それをきっかけに彼女のことを知った。

 

私は根っからのオタクというほどじゃなかったけど、ただただ彼女の描くタッチや世界観に惹かれた。

最初の出会いは多分コミケだったと思う。友達と行ったコミケですっごく好みの同人作家さんを見つけて、なんの気無しに本を購入したことが最初だったと思う。

 

かなり独特な絵柄、色の塗り方。

クールなお話の運び、余情のある感じ。

唐突に差し込まれたアーティストの歌詞。

 

その「アーティストの歌詞」を読んだ直後、私は強烈にそれが気になって、そのアーティストのことをぜんぜん知らなかったけど、地元の唯一のCDレンタル屋で探し出して借りてみた。

 

めちゃくちゃはまった。

みるみる私はそのアーティストに傾倒していって、彼女の出している全てのCDを買い集め、彼女が出ている映画を見たり、その歌詞を全ページ印刷して手帳に貼ったりするまでになっていった。

 

そのアーティストに出会えたことも私の人生で大きな出来事だったし、もちろんそのきっかけを作った同人作家さんに出会えたことも、大きな出来事だった。

 

それからしばらくして、彼女が私がその頃通っていた私立の女子校の、なんと先輩だということを知った。

確か友達に教えてもらったんだと思う。彼女は同人活動を特に隠したりしていなくて、コミケなんかにも出店していたから、噂みたいな感じで伝わってきたんだろう。

 

まさか同じ学校にいたとは。

すごく縁を感じた。

知り合いじゃないけど、突然彼女の学級の校舎を訪ねて行ってこっそり見てみようかと考えるくらい胸がざわついた。

 

結局彼女に会いに行くようなことはなかったけど、かなりいい大人になってからふと彼女のことを思い出し、同人名やサークル名を懸命に思い出してネットを検索してみたら、いた。

 

pixivにいた。

まだ創作をしていた。

二次創作じゃなくて、オリジナル漫画を描いていた。

 

その時もまた「ああ、また見つけてしまった」と思った。

 

彼女の描くオリジナルな世界は既に中学生じゃなくなった私の心に響くことはないけど(同人にはまった思春期時代が終わったってことかな)、私に深い感銘を与えてくれた人が、同じ時代の同じ世界に生きてる。それが無性に嬉しい。

 

私も彼女も同じように歳を取って、今では生まれ育った関西を離れて東京に暮らしている。そのことも不思議と何かの縁を感じる。

そんなふうに感じる人は、意外と人生でそんなに出会ったことがなかった。

 

だからと言って私がこの先何か行動を起こすとか、会いに行くとか、話しかけるとか、そんなことは多分ないんだろうと思うけど、再び人生の交差点に立てたことを嬉しく思う。

 

私は彼女のファンで居続けるのかな。

ひっそり、こっそりと。