波のまにまに。〜すなみちな日々。

すなみち@楽に生きる方法を模索中。40代ワーキングマザー。日常の思考の波間からなるべく丁寧に言葉を拾って紡ぎたいなと日々言葉を紡いでいます。

久しぶりに銀色本を読みました

先日図書館に行って予約していた銀色夏生さんの本を引き取ってきました。

子どもとの暮らしと会話

大学生の頃に“つれづれシリーズ”にはまった経歴あり。 あの淡々とした日常とか時折ちらっと垣間見える破天荒さとか、作者ののびやかな思想、好きなんです。

今、ひたすらゴロゴロしていて時間があるので、たくさんの文章量を読みたくて探したんですが、“つれづれシリーズ”は残念ながら図書館の蔵書にはないみたい。「子どもとの・・・」のタイトルに惹かれて、今回借りてみました。

久々に読んだ、つれづれな日々への感想

つれづれノート

相変わらず淡々とした日々。タイトル通り、銀色さんの2人の子ども、カーカとさくちゃんとのやり取りや日常が主な内容です。

子どもと言っても、もはやそれぞれが一人の人間として違う思想を持ち、違う性格を持っている。自分が産んだ子でも、いずれはそうなるのだなあ〜と思って興味深く読みました。

何の変化もドラマもないような、一見普通な日々になぜか安心。時折入る、ピリッと鋭い観察眼。そして美味しいものを食べることに対する貪欲さが好き。

私も食べることが好きで、美味しいものを食べるためなら猪突猛進してしまうタイプ。 学生時代は「いつも物欲しそうに人が食べてるのを見てるよね」と言われたり、「フードハンター」などという名誉なのか不名誉なのかよく分からない肩書きをつけられたりしていたっけ・・・。 グルメ志向というよりは、食べ合わせへの執着。たとえば、食べ物を食べている時に、追加であれを食べると絶対幸福だよね!というようなこだわり。

母親視点で見た、銀色家。そして子育てについて考えた

ま、それは置いといて、この本を読むにあたって、以前とは違い新しく自分の中にできているのが、母親という視点ですね。 まず、カーカは銀色さんに試練(笑)を与えるためにやってきたのでは・・・?と思ってしまう(笑)。 また、一見銀色家で上手くいっているように見えるさくちゃんが、ひたすら「普通の家庭」を求める様子・・・。かなり繊細なタイプの男の子みたいだ。 女の子の方が、ある意味タフだし少なくともカーカは何やっても生きていけそうだけど、男の子って物の味方や生き方なんかがダイレクトに人生に響いてくるから、難しいところあるよね。 特に銀色家は男が不在がちだから、ロールモデルにするべき男性もいないし。せっせ(銀色さんの実兄)やちゅんちん(別れた元旦那)もちょっと特殊そうだから、「普通」を切望するさくちゃんのロールモデルになれるとは思えないなあ。

親の影響を振り切って、人は初めて大人になれる

親が特殊な人であることで、子どもが被る影響ってかなりあるだろうな。ある程度の年齢になると、その環境に折り合いをつけていく必要が出てくるはず。親の影響力ってなかなか逃れられないもの。特にそれが恵まれた環境であればあるほど。

私も結構いい年まで親(母親)の影響を受けてしまっていて、上京することでやっとそこから逃れられた。そういう経験があるので、なるべく自分の子どもたちには、過干渉にならないように、自分の手で道を切り開ける子どもになってほしい。そんな思いがあるのですが、その場合、男の子よりも女の子の方が難しいような予感がしています。

女の子だと、どうしても(特に母親は)自分を投影してしまって、あれこれ言いたくなるようです。 現在妊娠しているお腹の子は女の子みたいなので、正直少し不安を感じてしまってます。男の子の方が、自分と突き放して考えられるのでやりやすい気がする。 もし娘が自分とは全く異なる性格だったら、まだその方がやりやすいかも。似たタイプだったら、息苦しいだろうなあ。お互いが考えていることを分かってしまうのって。 私が夫婦うまくやっているのは、夫が私と全然違うタイプだからなんです。

私が子どもに100%注力するのではなく、あくまでも自分の道を大切にしたいと考えているのは、子どもたちに変な影響をもたらせたくないから。子どもをコントロールしたくないから。 そういう意味で、銀色さんなんて100%自分道な人ですけど、それでも子どもへの影響力は大きいもんなあー。影響を与えないでいるって、案外難しいことなのかも。

なーんてことを考えつつ、久しぶりに読んだ銀色本でした。