波のまにまに。〜すなみちな日々。

すなみち@楽に生きる方法を模索中。40代ワーキングマザー。日常の思考の波間からなるべく丁寧に言葉を拾って紡ぎたいなと日々言葉を紡いでいます。

母親とは社会的な生き物だ、とつくづく思う件

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自分が母親というものになってからつくづくこう思います。 母親というのは社会的な生き物だと。 社会との繋がりなくしてはやっていけないと。

母親になると、コミュニケーションというのが苦手でこれまでなるべく人付き合いというものを避けてきた人でも強制的に人付き合いが発生します。人付き合いが苦じゃない人ならいいけれど、そうじゃない人にとっては結構ハードだなと思う。

実際、私もぶっちゃけコミュニケーションが得意な方ではないので、得意なお母さんたちを横目に見つつ、冷や汗かいたり、やたら疲れたり、気負ってみたり、精神的に摩耗することが今でも多々あります。

まあ、逆に返せばたとえママという仮面をかぶった人付き合いであってもそれなりに自分のコミュ力が磨かれるチャンスでもありますね。 また、自分がどこまで強くあれるかを問われることもあります。

今回、私が体験してきた“ママとしての人付き合い”を総まとめにしてみましたので、プレママさんは「ママ友付き合いって怖いらしい...」と戦々恐々とする前に、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです^^

出産編〜病院と長く続くおつきあい

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まず、子どもを産むためにほとんどの人が産院に入院するでしょう。 初めての出産、初めての育児...何も分からない中でいきなり授乳やらオムツ替えをしないといけなくて、それらを教わるのは看護師さんや助産師さんです。

彼女らは新米ママなんかより余程赤ちゃんの扱いに慣れており、おっぱいモミモミされるしシモの様子なんかも見てもらって...もう彼女らに足を向けて寝れなくなります(笑)

特に1人目の子どもだと、それこそ右も左もわからなくて、授乳やオムツ替えの頻度など常に「これでいいの?」という感じでびくびくしていた気がします。 うちの子は、1人目も2人目も夜になっても静かに寝てくれないことが多く、4人部屋だったので神経をすり減らしました。母乳も少なかったので、ミルクを足してもらうのもなんだか劣等感を感じていました。

退院してからも、病院とのお付き合いはこれまでと比べてぐんと増えることになりました。

まずは怒濤の予防接種ラッシュが始まり、おそるおそる近所の小児科に行ってみると、自分と同じような赤子を連れたママさんたちにたくさん遭遇してびっくりしました。病院には定期的に通うのでまるで常連みたいになってくるし、慣れてくると何となく相性の合わない小児科を乗り換える図太さも身につけていきました。(笑)

親子センター&児童館デビュー編

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私は子どもが2ヶ月くらいの頃、地域の親子のつどいに参加しました。初の親子デビューですね。参加してみると、近所にこんなにも我が子と同じくらいの赤ちゃんがいたのかと驚きました。

早くママ友というものを作らねばと内心焦りつつ、沐浴はどのようにしているかだとか、母乳の話だとか、寝かしつけの話だのに花を咲かせます。それ以外はひたすら共通ワード「わー可愛い〜」を合い言葉に育児の初級話を一通り共有し、知らないママさんたちと“友達”になるべくがんばります。1人目の時はとにかく全てが新鮮だったので楽しかったですが、2人目出産の後は、それら親子デビュートークがひたすら退屈でつまらなく、1日でフェードアウトしました(笑)。

1人目の時は、幸運にもここで気が合ったママたちと仲良しグループができ、集まってランチに行ってみたり(もちろん子連れ)、近所の児童館デビューしました。

児童館では大抵赤ちゃん教室というものを開催しています。大丈夫、そこにいるママたちは警戒していたよりずっと気さくでフレンドリーだったりして、あれこれ話しかけてくれます。 しかしやはり初対面の相手。コミュニケーションスキルが高いママさんはすっと馴染めるけれど、そうでない私は「自分も何か話さなくちゃ...!」と焦って気疲れしたことも。

児童館というある意味特殊な場に馴染めた人は児童館通いを日課にし、そうでない人はひっそり脱落したりするかもしれませんね。やっぱり一人の方が気楽だなと悟り一人行動(※ベビーカー連れでショッピングモールに出没するなど)に徹したり、児童館以外の場所(図書館や別の親子教室、子連れOKのサークル等)に自分の居場所を見つけてもいいですね。

保育園デビュー編

そんな感じでようやく赤ちゃんと一緒に過ごすというリズムができてきた頃、早い人は我が子を保育園に預けるママも出てきます。私の場合は8ヶ月で保育園に入れたのですが、思っていたよりも保育園通いって大変なものでした。

保育園ってもっとママさんに優しいものかと思いきや、公立だったからか、ドライで冷たい対応に軽くへこむこともありました。(少しでもお迎え時刻に遅れたら注意されたり、途中買い物に寄るのがダメだったり...) 保育士さんも優しいようで辛辣な時がありニコニコ顔で細かいことをあれこれ注意され、気にしすぎて軽くへこむこともありました。 既に上の子がいるママさんなどは保育士さんとの絶妙な距離感を既に分かっていたり、フレンドリーな関係を築いていたりして内心焦ったり、慌てて保育士さんに気を遣い始める(笑)ことも。

保育園で出会うママさんたちは皆忙しそうで、軽く会話したり情報交換をしたりするくらいで、ドライな付き合いなので気持ちはラクでした。でもたまに「ゆっくり話したいよおー!」となり寂しくなることもありました。(消化できない愚痴は夫に話したり以前からの友人であるママと共有したりしてたかな?)

職場編

時短勤務や急な保育園からの呼び出しがあり、同僚などに気を遣いながらの勤務。同じ職場にママさんがいると心強いがそうでない場合は結構ハードモードです。

子どもがいない時は余裕にこなしていたはずの仕事も、頻繁な呼び出しのため全くこなせず焦りました。 非常手段カード「残業」が使えないので時間ぴったりに切り上げなくてはならず、仕事が難しくなってきます。誰かにフォローを頼まなくてはいけないが、同僚が年上の場合(そして独身だったりする場合)めちゃくちゃ気を遣いますよね。カチャカチャとパソコンのタイプの音が響き電話の音が鳴り響く職場で「お先に失礼しますー」と言うのは何かもうすごくハードです(笑)今ではもう慣れましたが。

公共の場所編

公園で、我が子が他の子どもさんにちょっかいを出せば「すいません!」、他の子のオモチャを勝手に手に取れば「すいません!」、何かやらかせば「すいません!」。とにかく「すいません」で乗り切ってきました。

電車でも気を遣いますよね。 「ったく、子連れはこれだからよー」と他所様に思われないように、ベビーカーを気持ちの上ではなるべく小さく目立たないように隅っこに押し込んで、子どもが大声が騒ぐのをひたすら阻止するのがセオリーです。世間的には母親が「申し訳ない」という態度でいれば許してやるよ、というスタンスらしいのでひたすら申し訳なさそうに萎縮するのが良いでしょう。

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以上、自分が母親になって発生したコミュニケーションあれこれ!でした。

自分が母親という存在になってつくづく思います。 母親っていうのはただ子育てしてればいいのかと思っていましたが、思ってた以上に社会とのつながりが強いのです。 病院、地域の親子センター、区役所、保育所、幼稚園、職場...。 なのでめちゃめちゃコミュニケーションスキルが必要になってきます。ていうか、必須です。

しかしそれらは、それだけ社会にお世話になっていることの証明でもあります。確かに日本という社会はまだまだ子連れに厳しく、子連れというだけで自動的に弱者のポジションにあるのかもしれません。

でも、今度はそれも変わっていくかもしれないし、その時必要となるのは私たちの感謝の気持ち。 ママが社会的な生き物である限り、社会的なつながりは続いていくでしょう。 自分が優しくされた分、他の誰かに優しくできるといいですね。

家に帰ってからもなかなか“ママ”の看板を下ろすことができませんが、その看板を下ろす時間が少しあるだけで、ぐんと疲れは癒されます。 たとえば夫と過ごす時は妻の顔に戻って思い切り甘えたり、実家に帰れば子どもの顔に戻って甘えてみたり。たまには子ども抜きで友人に会うのもいいですよね。

そしていろいろ悩んで、愚痴って、開き直って。 また明日には強いママに戻っていることでしょう。