人生に迷うひとは、林真理子を読みなさい
最近、私の中で「林真理子ブーム」が来ています。
きっかけは、以前読んだ「野心のすすめ」が面白くて、忘れられなくて、図書館でまた借りてみたこと。
林真理子さんて、なんでこうも女の心理をよく分かっているんだろうなあ。
女のチャーミングなところから醜いところまで、セキララに描くから、読んでて止まらない。
小説なども含め何冊か読みましたが、私は特にエッセイが好き。
彼女の文章からは、幼少の頃から培われたらしき不屈なる卑屈さと、現在の地位を築いた絶対なる成功者としての自信。 そして、シビアに現実を見つめ続けるまざなしが上手にミックスされている気がします。
林真理子の面白いところは、同性の女たちに対して、厳しくも優しいまなざしで、背中をばんと叩いて「しっかりしなよ!」となんだかんだ励ましてくれるところ。
そこには、酸いも甘いもたっぷりと甘受してきた、女の強さがあるんだなあ。
「野心のすすめ」では、私たちのような働く母親に対するメッセージが。
それは痛くもあるし辛くもあるし、それでいて、同情と、激励の温かいまなざしも感じました。
毎朝ママチャリこいで、必死の形相で、家庭と仕事を掛け持つ「普通のワーキングマザー」たち。 私だって独身の頃、「ああはなりたくない」と思ったはずの姿に、結局なってしまった。
少し前に、子どもの送り迎えにママチャリに乗っていて傘が車輪に挟まって、抱っこした子どもを死なせてしまった母親のニュースが話題になっていましたが、あのお母さんを決して人ごとには思えません。
それはもう、毎日をいっぱいいっぱいに、必死で生きているから。
今まで何事もなく生きてこれたのは、運が良かったからで、運が悪ければ、事故に遭っていたような、そんなギリギリの場面をいつも乗り越えてきました。
風の強い日、ママチャリを派手に倒してしまったこともあるし、息子を迷子にしてしまったこともある。
娘がいきなり車道に飛び出しかけて、慌てて引き倒したことも。
6年間の子育ての局面で、「もう無理!」みたいな場面がたくさんあって、それを体当たりで乗り越えていくうちに、いつの間にか色んなことに鈍感になって、そして強くなってきた気がする。
良くも悪くも、「母になる」ことは、強さと鈍感さを身につけることだったかもしれない。
・・・
ところで、「野心のすすめ」は、30万部売れたベストセラーだということです。
「野心のすすめ」の裏話的な本が「過剰な二人」ということで、林真理子と見城徹との共著。 こちらも読んでみたけど面白かったよ。
何が面白いって、出版業界のアレコレが赤裸々に書かれている。
若い頃、まだトップに上り詰めていなかった頃の青春のさまや、本当のプロが仕事に生きる意地。
見城徹という人は、トップオブトップの編集者で、幻冬舎という出版社をイチから立ち上げた人ということらしい。
あまりに面白いので、この人の本ももっと読みたくなった。
スマホやめて、読書をしたら少し日常が楽しくなったかもしれない。
よーし、また本を読むぞー。