波のまにまに。〜すなみちな日々。

すなみち@楽に生きる方法を模索中。40代ワーキングマザー。日常の思考の波間からなるべく丁寧に言葉を拾って紡ぎたいなと日々言葉を紡いでいます。

やっぱり私は東京が好き!

奈良での生活を始めて3ヶ月、痛烈に感じ始めていることがあります。

ああ、東京に帰りたい(笑)

ここでは家事はしなくていいし、食事も作ってもらえるし、息子の世話も分担できるし、体的には楽なんだけど、一番近い書店に行くにも車を使っての移動というのがまずすっごく苦痛です。

気晴らしといえばイオンに行くくらいかな。

不自由さを感じています。

そして、いくら週末田舎暮らしを新鮮に感じようと、イケハヤ先生が素敵な地方暮らしを提唱しようと、月々13万円という馬鹿みたいな家賃を払っていようと、やっぱり私は東京が好きで、しばらくは「東京暮らし」でいたいなーと感じました。

それは私と、東京という場所の関係性にあるのかもしれない。 東京は、私が人生で初めて「ここに住もう」と選択した土地ですから。

すなみちの上京物語(自分語りスイマセン)

上京物語

私は25才までずっと大阪の実家暮らし。頭の固い両親は「実家を出るのは結婚する時や!」と譲らなかったし、よく上京を許してもらえたなーなんて、今でもあの頃のことを感心の気持ちで振り返ることがあります。

私が上京したいと考えたのは、色んなタイミングが重なったから。 2年間務めた会社が倒産し、ツナギで始めた派遣の仕事。そこで知り合った派遣仲間が元東京人で、彼女に背中を押してもらったり、その頃色んな縁が重なって、東京にたくさん知り合いができたことも大きかったです。

何もなかったら反対されていたと思うけれど、「Webデザイナーになる」という名目で両親を説得しました。そして上京してすぐに就職した会社で、夫と知り合いました。

上京生活が割ととんとん拍子にうまくいき、大きな挫折を感じたことがなかったのも良かったと思います。

そういう意味では、大阪で暮らしていた頃は私は挫折続きの人生でした。彼氏と呼べる人もいなかったし、好きでない仕事だったけれど会社は倒産するし、持っている物が何もナイ、ナイナイづくしの人生。そんな私を受け入れてくれたのは、東京のいい意味でクール、誰でも受け入れてくれる土壌でした。

そう、東京って土地柄も住んでいる人もクール。 今みたいにこうして関西で過ごしていると、他人の人懐っこさが心地いいですが、東京は何と言うか、余程親しくならないと相手に立ち入らないような、よそ事感というか他人感があるなと感じます。

馬場未織さんの「週末田舎暮らし」の本の中に

東京の生活は本当に自由です。・・・(中略)・・・点と点が脈絡なくつながっていく経験そのものが都市生活です。・・・(中略)・・・わたしの故郷は、東京の「土地」ではなく、根を張らないでも生きられる東京の「空気」なのかもしれない・・・。

という一節があるのですが、私はその表現にフムフムと深くうなづいてしまいました。

私自身、現在賃貸暮らしだから余計にそう感じるのかもしれないけれど、東京暮らしって自由で、希薄で、とっても軽い。 それが私にとっては心地いいです。

ただ、自分の存在が軽いぶん、自分の所属の基盤がしっかりしていないと、時には寂しさを感じてしまうこともあるかもしれません。 私は最初に会社という基盤を作り、会社から夫に繋がり、家庭に繋がりました。そして今は家庭から地域の保育園などの地元に繋がっている。そして夫の地元が東京ということもあり、そのご両親や家族とも繋がっている。 そういう繋がりが今はしっかりとあるから、自分を地方人だと感じたり関西に帰りたいと思うことはほとんどありません。

結婚できていなかったら、今もふらふらしていてやばかったかな?(笑) ま、一人暮らし時代の2年間も、寂しくなったことは一度もなかったです。 地方から出てきて段々鬱っぽくなる人も見てきたし、上京した結果、本当に東京に根を下ろせるかどうかは向き・不向きもあるかもしれません。

東京は住むエリアによって違いを楽しめる

私が東京に住んでて面白いと思うのが、住むエリアによって全く空気感が違うということ。

最初に住んだ高円寺、次に住んだ緑が丘(※自由が丘の隣駅)、そして現在住んでいる品川区(詳細なエリアは内緒!)。 どのエリアも、その場所ならではの雰囲気や住み心地があって、一定期間暮らしたのはいい体験となりました。

地方から出てきた自分だからこそ感じる、「東京って面白いなー」と感じる新鮮な視点がたくさんありました。

流行ものをどんどん取り込む懐の深さだったり(ある意味移り気で軽薄とも言える)、そういう意味で何でもアリだったり、洗練された都会的な空気だったり、人やカフェとかがとにかく多いところとかも好きです。

たまに関西の友人に会う時、「東京いいなー」みたいな言われ方をします。そんな時は「いやー、大阪と同じだよ(←謙遜ね)」って返しますが、正直に言うと、東京と比べると大阪ってイチ都市に過ぎないなと感じています。 街としての規模が全然違う。 東京から見ると、大阪も名古屋も福岡も、立ち位置的にあまり違いを感じません。でも東京って日本の首都という唯一感、「世界のトーキョー」的な誇り感がすごい。

結局、お高い家賃は住み易さというよりも、そのプライドのために払ってるとも言えますね。

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東京は地価が高い、他人との関わりを持ち辛い、コミュニティが浅いなどのマイナス面もありますが、基本的には面白いところだと思って住んでいます。

今の場所にずっと住み続けるつもりもないので、いつかはまた新しいエリアを探して住み替えると思いますが、どこに住もうかと考えると、ワクワクしますね。

そういう好奇心を埋めてくれる、懐が深い街というのが東京の魅力。 東京にいられる限り、楽しい東京ライフを送るつもりです。